廃止措置のための人員・組織の在り方(2023年度成果)
複数施設サイトにおける廃止措置(2023年度成果)
原子力事故後の放射性廃棄物管理の経験・事前計画の基礎(2023年度成果)
廃止措置におけるロボティクスとリモートシステム(RRS)の応用(2023年度成果)
DXの廃止措置への適用(2023年度成果)
炉心解体技術の実践(2023年度成果)
ステークホルダー・エンゲージメント(2022年度成果)
原子力施設の廃止措置における作業者の放射線防護(2022年度成果)
イグナリナ原子力発電所の廃止措置(2022年度成果)
米国通常炉廃止措置の経験(2022年度成果)
海外廃棄物処理施設での放射性廃棄物受入基準(2022年度成果)
放射性廃棄物処分場の設計の原則とアプローチ(2022年度成果)
閉鎖・廃止措置の社会経済的影響(2021年度成果)
クリアラアンスの最新の規制動向(2021年度成果)
福島第一発電所事故から10年─進展と教訓、課題(2021年度成果)
スウェーデンにおけるクリアラアンスの方法(2021年度成果)
廃止措置からの低レベル放射性物質と廃棄物の管理の最適化(2021年度成果)
使用済燃料及び放射性廃棄物管理の状況と傾向(2021年度成果)
大型機器の一体撤去vs分割細断の選択(2014年度成果)
性能指標を用いた廃止措置プロジェクト管理手法(2013年度成果)
デコミ研究会は、ここ数年、台湾側からの要請に応えて廃止措置に関するセミナーの開催や研修生の受入れ等の協力をしてきている。
この度、台湾側の窓口である台湾・財団法人核能情報センター(NIC)から、廃止措置に関する「情報交換並び技術協力に関する覚書」(MOU)の締結の申し出があり協議・成案が整い、2019年10月28日署名・取り交しを行った。
日本の原子力規制委員会は、放射性資機材のクリアランスを国際標準と比べて約10倍厳しくするように、規制制度変更を検討している。
世界原子力協会(WNA)のシニアプロジェクトマネージャーであるCharlotta Sanders博士の批評によれば、そのような変更は不要な混乱と出費をもたらすことになる。
米国機械学会(ASME)が2004年に発行した"The Decommissioning Handbook"の全文の日本語版です。
研究会活動の一環として2年にわたり翻訳しつつ演習発表した成果の集大成です。
日本語翻訳版の発行に際して、2009年12月にASMEの書面による許可を得ています。(2010年4月刊行)
一般読者にも分かりやすい平易な言葉で解説しています。
≪例≫
【PLMと廃止措置】
栄枯盛衰は世の習い,どのような施設にも寿命がくる。浅茅が宿の大昔は別として、現代では役割を終えた施設をそのまま残しておく訳にはいかない。周辺の住民に、また環境に、多大の負荷を残さないよう適切に処置することが、それを利用した人々の責務である。これは何も原子力施設だけの問題ではない。我々の周りに存在する全てのものや制度について言えることである。造るのみでなく、誕生から最終までの処置を予め計画した上で実行に移すことが21世紀の事業スタイルで、プラント・ライフ・マネージメント(Plant Life Management)と言う。この最終段階が廃止措置(デコミッショニング)である。
【廃止措置とは】
原子力施設の廃止措置とは、法的には、役割を終えた原子力施設から課せられていた安全規制を削除することである。技術的には、施設から放射能を除去し、これにより建物又は土地を別の目的に有効利用するための行為であり、廃炉(解体)工事とも言う。除去された放射性廃棄物は、最終処分も含めて、適切に処理されることが求められる。加えて、作業者の放射線被ばく、廃棄物発生量や費用を、可能な限り低減することが望ましく、安全性と合理性を充分勘案した工事計画の策定が、廃止措置では重要となる。
●廃止措置の標準工程
具体的に述べれば、高い放射線を出す機器設備の解体撤去作業では、遠隔操作機械(ロボット)が使用される。そのための計算機技術や切断技術など、様々な分野の技術が総合され選択されての工事となる。放射能の除去作業は、外科手術が患部の状況に応じて施されるのに似て、現場状況に応じて様々に工夫が施され実施される。この工夫は現場技術者にとって楽しい。簡単ではないが、不可能ではなく、技術的に未知な部分もないからである。
廃炉工事とは、経験の積み重ねが物を言う世界である。より大型・複雑な原子力施設の廃止措置に備えて、技術の改良・開発、知見の集積、更には精度ある費用評価なども含めてスキルを磨くところに面白味がある、今後の工学分野である。
●廃止措置に必要な技術の分類